僕の記憶
仕事は絶対。
だが、誰にも知られてはいけない。
だから彼女を必ず探し出して、仕事をするんだ。
彼女のケータイに電話をかける。
多分1回だけじゃ出ないだろうね。
でも彼女は出る。
きっと数回目で出てくれるよ。
“も、もしもし…?”
ほらね。
僕は何でも知ってるんだよ、君のこと。
君が電話を無視できないっていうこともね。
「やぁ…一体どこにいるんだい?」
口元が緩む。
電話ごしに彼女が震えているのが分かった。
「心配したんだよ」