僕の記憶


僕は死んだけど、まだ仕事が残っている。



まだまだ死ななければいけない人間は何千といる。



僕の仕事は習慣。

いや、きっとこの世界の中の仕組みになりつつあったのかも知れない。



だから僕は記憶として残った。


記憶だけの存在だけど、幽霊なんかよりもよっぽど濃密な存在を保つ事が出来た。




だから今でもゴミをこの手で処理する事は容易だ。



つまり、要らない人間を簡単に殺せるって事だ。


生憎、人間の姿だったよりも軽いし、何より存在が見えない。




最近は1日で一家族ぐらいは世の中を掃除できるようになったんだ。


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