君がいてくれるなら
序章
[1] ワン デイ
ミーン ミーン ミンミンミン…
何処からともなく
浴びるように降注ぐ蝉の声
絶好調と言わんばかりに
照り付ける太陽の光
その光をめいいっぱい受けようと、高く伸びた木の枝から主張する様に生茂った葉っぱを見上げた。
葉っぱに日が反射して眩しいや…
ふと立止った私の制服のスカートの裾を、生温い風が揺らす。
「…熱い。」
私は一人つぶやきながら、駅の屋根の下に入った。