君がいてくれるなら
体育館の外階段を降りて行くと、夏休みに入って肌の色が一段と黒くなった同じクラスでサッカー部の 阿部 亮介(アベ リョウスケ)がコーナー用のフラッグを振りながら手を振ってこっちに向って来た。
「おっす!お前らも今終わり~?
オツカレ~!!」
身長165cm位の亮
『俺の成長期はこれからだかんな!』が口癖の、超アクティブ男子
みんなに『いや、止まってるな』って言われても『これからだ』と一歩も引かない。
ってゆうか私は165ある亮が羨ましいわよ?
私なんてアタッカーなのに、身長は155cmやっとある位なんだから。
「あっ亮!あそこの一番左側にいる先輩、なんていうの?」
なぉが、サラッと亮に聞く
亮も普通に
「あぁ…菅原先輩?」
「そーなんだ。」
菅原(スガワラ)先輩…か…
さり気ないなぉの機転と名前を知った嬉しさで、思わず私のほっぺたが緩んでしまう。