君がいてくれるなら
[1] チョコレート
今にも雪が降りそうなドッシリした雲が空を覆う
電車の窓から見える風景を見ながら、何となくぼんやりと物思いに更けていた私
季節はバレンタインまじかの
2月
「取りあえず何食べる?」
「あ!あたしアイス~!」
私達は部活の後、数人でショッピングセンターに向っていた。
「希美、アイスは寒いじゃん!」
「え~じゃあドーナツでもいいよぉ?」
食べ物の話ある所に希美あり。
必ず話に加わる希美を中心に、着いたらまずどこに行くか(食べるか)を話していた。
「ドーナツ、カロリー高いし。
私最近ヤバイんだから。
良いよね希美は、いくら食べても太らなくて…。」
「ホントだよねぇ…。」
最近太ったと気にするなぉの言葉に、由香も頷く。
「えへへ~♪」
当の希美は嬉しそうに笑ってる。
希美は正真正銘『痩せの大食い』
バレー部の中で一番細くて背も高い。
なのにまだ食べるのっ?って位たべる。
夜ご飯の後のおやつも欠かさない位
希美の食べっぷりとスタイルを見ると、人生は不平等なものなんだと思い知らされる。