君がいてくれるなら
「お…おとーさんとかにあげる感じじゃないじゃん?」
一応おどけてみる
なぉは菅原先輩にって意味で言ったんだろうけど…
なぉに顔を向けると、『違うし』って顔して私を見てる。
…やっぱり、先輩にだよね。
あげたい気持ちが、ほんのちょっぴりも無い訳じゃない
いざ色とりどりのチョコレートを前にして、気持ちが揺れない訳もない
「先輩、他の人にとられちゃってもいいの?」
真剣な顔をしたなぉの一言
ドクン…
その言葉が、胸の奥の何かをドキリとさせる。
「菅原先輩に渡す子、他にだって絶対いるよ。
それでまた彼女出来て、一緒に居るの見てさ、あげとけば良かったって
後で後悔しない…?」
ズキリ…
今度は胸の奥に嫌な衝撃が走る。