君がいてくれるなら
「下の名前、実莉ちゃんって言うんだね。
これから宜しくな。
いつでもメールして。」
笑顔で言う先輩に思わず見とれちゃう。
「あっハイ!
あのっ今日は突然だったのに、来てくれてありがとうございました。」
「俺こそありがとう。」
先輩は紙袋を軽く持上げてそう言い
「じゃあそろそろ帰るか、寒いし。」
って言って私に背を向ける。
けど急にまた私の方を向いて
「家どっち?送って行こうか?」
なんて言われるとも思って無い事を言うから、私は一瞬パニックになる。
「えっ!あっ近いので大丈夫ですっ!
ありがとうございます。」
「…あぁそうなんだ。
じゃあ、またな。気をつけて帰れよ。」
手をブンブン振って慌てて答える私を見て、先輩は可笑しそうに含み笑いをして帰って行く。