君がいてくれるなら


駅を幾つか通り過ぎ、座っていた男子の横の席が空いた。
立っていた先輩はそこへ座り笑顔で話してる。


斜め前から見た先輩の笑顔に
今度こそ私は目が放せなくなる。

胸の奥がきゅうっとなって


ドキン…ドキン…


胸の鼓動が早くなるのがわかる


きっと一つ上の2年生
制服って事は多分

これから部活だよね。

3人とも袖から伸びた腕と顔がだいぶ日に焼けてる。

って事は、外の部活なんだ…


私は学校近くの駅まで、彼等の観察をこっそり続けてた。

あっ!降りなきゃ!


私は彼等が席を立つのを見て我にかえり、窓の外の風景を確認して立ち上がろうとした。


その時、同じ様に立ち上がった長身の先輩と一瞬目があった

……気がしたんだけど



気がしただけかもしれないけど


私の心に名前も知らない、その先輩の笑顔が焼き付いて



『私の中でこの人は特別』



何の根拠も無いのに

何故かそう心に浮んだ



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