ワタシ
そう思うように
なってから、ワタシ
はリホたちの輪には
行かなくなった。
《その程度の友達
なんか、要らない。》
そんな思いからか、
リホたちを冷たい目
で見ることもしばしば
あった。

―そんな日々の中、
いいことが起こった。
それは放課後、一人
席に座っていた時の
ことだった。

『ねぇねぇ、つくし
ちゃんだっけ??』
ある子に話かけられた
のに気づき、そこ子を
見た。
『あ…えっと、リカ
ちゃん…だっけ??』
ワタシは偶然にも
その子を知っていた。
なぜなら、例の輪に
入っていたのをよく
見ていたから。
『うん!!普通にリカ
でいいよ!!』
この時気づいたんだ。
リホが付け足して
言った違う部活の子
がこの子だと。
なぜなら、理由は一つ
しか見当たらない。
それは、
明るいということだ。
だって、あの輪に
いるとき、確か相槌
を打つばかりで特に
話題を挙げることは
なかったから。
その存在に気付かな
かったワタシも、
知らずしらずの内に
おまけ扱いしていた
のだ。
でもこの子、どんな
子なのかマジわかん
ない。
この時のワタシに
リホが付け足した
根拠など、考えも
気にもしなかった。
――
この時少しでも頭
に残しておきさえ
すれば、あんな事
にはならなかった
だろうに…―

< 14 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop