ワタシ


バタバタと慌ただしく土間に駆け込む。


3年生は1・2年生と校舎が違い、クラスでドベだった。


それが影響して、自分のスペースがどこなのか、えらく見つけやすかった。


少し縮んだ上履きを引っ張り出し、ちゃんと履ききれてないまま階段を駆け上がる。


速くも2階に着くと、1番手前の教室に〔1組〕
と表示がある。


どうやらワタシの新しい教室、6組は3階らしい。


額に汗をにじませながら、3階へ駆け登る。


そして、6組のドアをそぉ~っと開けた。


ここが今年の新しい教室か、と思いながら見渡す。


しかし次の瞬間、ワタシは息切れも遅刻のことも忘れてしまった。


ただア然と、教室を見渡すことしかできなかった。


《知ってる人、誰もいないし。》


まさかのクラスの友達0からのスタート。


名取つくし 14歳


波瀾万丈な“最後”の1年が、幕を開けた―


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