隠れ鬼ごっこ
昴「なっ!?文太!?」


拓「おい!?」


慌てて追いかけるがやはり文太の足は速い。


雅「まっ、待ってよ!文太!」


怜「お前…不意打ちは卑怯だろ!」


俺達は叫ぶ。


文太の顔にあるのは悲しみ。


文「…悪ぃな!でも……これしかなかったんだよ!」

確かにこれ以外では、行かせなかった。


俺達は必死に文太を追いかけるが俺ですら中々追いつかない。


それどころか息がきれてきた。


拓「ハァ…テ…メェ…次…会ったら…ハァ…ぶん殴ってやる……!」


息をきらしながら拓海が叫ぶ。


昴「俺も…ハァ…蹴りいれてやる…!」


雅「待って…!ハァ…」


怜「この野郎…本当に殴ってやっからな…!」


俺達の言葉に文太は悲しく笑った。


文「ハハッ…。じゃあ、殴られる様に…してやるよ。だから…お前等も殴りに来いよ!じゃあ、後でな!」

文太はそう言うと前を向いて走り出した。


怜「ハァ…ハァ…」


俺達は立ち止まった。


そして、文太の姿は完全に見えなくなった。
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