隠れ鬼ごっこ
3人の息は整っていた為、先ほどよりも早く走ることが出来たがそれでも、あの進行人のピエロが言った通り。
それは全く意味をなさないくらいの速さである。
(くそっ…このままじゃ追いつかれる…!)
再び肺が酸素を欲する中、怜は必死で打開策を考える。
俺よりも体力がない2人を連れて逃げきれるとは到底思えない。
「怜…!あれっ…!!」
すぐ後ろを走る雅明が指差す方角に緊急時用のレバーがあった。
それを引けば防火扉が閉まるであろう。
しかし、それを引くには時間がなさすぎた。
「もう少し…走って考えよう…ハアッ…このまましてもーー」
「! ダメです…!この先…は……さっき…ロックが…かかってた扉で…下の機械の問題を…ハァ…10問とかないと…開かないんです…!」
「なんだと!?…そんなことしてる間に…捕まっちまう…!ほかに道はーー」
そう言った瞬間、無情にも見えなかった階段の入り口を過ぎて行ってしまった。
「ちっ…!進むしかないのか…!」
「………」
ここに来て大きな問題が立ちはだかった。
(どうする…!先は行き止まり、階段は通り過ぎてしまったし、レバーを引けても扉が降りるまでに時間が必要……くそっ…!)
万事休すかどう思った瞬間、目に入ったのは掃除ロッカー。
そして通り過ぎて行った階段。
瞬時に閃いた案を即、実行すべく更にスピードを上げて掃除ロッカーの扉を開けてモップを取り出す。
そしてすぐに後ろに向かって走って行く。
「怜…!?」
雅明の心配そうな声を横から後ろに聴きながら鬼に対峙した。
そのスピード、歪んだ笑顔、殺気に背中に冷たいものが走ったが関係ない。
ここでそれをしなければ全滅だ。
微かに震える手足を無理やり動かしモップを振り上げた。
「わあああああ!!!!」
鬼が階段付近に来た瞬間、叫びながら怜は向かって行った。
「!」
向かって来た怜に驚きながらも、捕まえようと伸ばして来た手を右に避けながら渾身の力を込めて鬼を右から左に殴りつけた。
宙に浮いた鬼の右横腹に更に蹴りを入れた。
「!!」
その先には階段があった。
上から二、三段目に着地した鬼の背中をもう一度蹴りつけた。
ぎゃっという小さな悲鳴とともに鬼は下に落ちて行った。
そして階段の踊り場の壁に不安定な姿勢で叩きつけられた。
ゴキンッという嫌な音を首から発しながら鬼は崩れ去った。
「ハアッ…ハァ…!!」
心臓が飛び出そうなほど鳴り響く中、怜はそのまま鬼を見ていたが、ピクリとも動かない。
普通なら即死しているほどの怪我だが、鬼のタフさに油断は出来なかった。
しかし全く動く気配はない。
「怜…!」
追ってきた雅明に声を掛けられある意味我にかえる。
「まさ…あき……」
「驚かさないでよ…突然鬼に向かってくなんて…」
「悪い……でも、これしか浮かばなかった」
下にいる鬼を覗こうとした雅明を手で制しながら「それより先を急ごう」と扉に向かった。
「良かった…よく無事でしたね」
真里も心配そうに走ってきた。
「一か八かの賭けだった…ハハッ…まだ震えてるよ…」
深呼吸をして肺と気持ちを落ち着かせようとした。
「でも…あいつはすぐやってくるだろう。今のうちにレバーを引いて問題を解こう。真里は問題を解いててくれ。俺と雅明でレバーを引くよ」
「分かりました。急ぎますね」
そう言って真里は扉に向かって行った。
それは全く意味をなさないくらいの速さである。
(くそっ…このままじゃ追いつかれる…!)
再び肺が酸素を欲する中、怜は必死で打開策を考える。
俺よりも体力がない2人を連れて逃げきれるとは到底思えない。
「怜…!あれっ…!!」
すぐ後ろを走る雅明が指差す方角に緊急時用のレバーがあった。
それを引けば防火扉が閉まるであろう。
しかし、それを引くには時間がなさすぎた。
「もう少し…走って考えよう…ハアッ…このまましてもーー」
「! ダメです…!この先…は……さっき…ロックが…かかってた扉で…下の機械の問題を…ハァ…10問とかないと…開かないんです…!」
「なんだと!?…そんなことしてる間に…捕まっちまう…!ほかに道はーー」
そう言った瞬間、無情にも見えなかった階段の入り口を過ぎて行ってしまった。
「ちっ…!進むしかないのか…!」
「………」
ここに来て大きな問題が立ちはだかった。
(どうする…!先は行き止まり、階段は通り過ぎてしまったし、レバーを引けても扉が降りるまでに時間が必要……くそっ…!)
万事休すかどう思った瞬間、目に入ったのは掃除ロッカー。
そして通り過ぎて行った階段。
瞬時に閃いた案を即、実行すべく更にスピードを上げて掃除ロッカーの扉を開けてモップを取り出す。
そしてすぐに後ろに向かって走って行く。
「怜…!?」
雅明の心配そうな声を横から後ろに聴きながら鬼に対峙した。
そのスピード、歪んだ笑顔、殺気に背中に冷たいものが走ったが関係ない。
ここでそれをしなければ全滅だ。
微かに震える手足を無理やり動かしモップを振り上げた。
「わあああああ!!!!」
鬼が階段付近に来た瞬間、叫びながら怜は向かって行った。
「!」
向かって来た怜に驚きながらも、捕まえようと伸ばして来た手を右に避けながら渾身の力を込めて鬼を右から左に殴りつけた。
宙に浮いた鬼の右横腹に更に蹴りを入れた。
「!!」
その先には階段があった。
上から二、三段目に着地した鬼の背中をもう一度蹴りつけた。
ぎゃっという小さな悲鳴とともに鬼は下に落ちて行った。
そして階段の踊り場の壁に不安定な姿勢で叩きつけられた。
ゴキンッという嫌な音を首から発しながら鬼は崩れ去った。
「ハアッ…ハァ…!!」
心臓が飛び出そうなほど鳴り響く中、怜はそのまま鬼を見ていたが、ピクリとも動かない。
普通なら即死しているほどの怪我だが、鬼のタフさに油断は出来なかった。
しかし全く動く気配はない。
「怜…!」
追ってきた雅明に声を掛けられある意味我にかえる。
「まさ…あき……」
「驚かさないでよ…突然鬼に向かってくなんて…」
「悪い……でも、これしか浮かばなかった」
下にいる鬼を覗こうとした雅明を手で制しながら「それより先を急ごう」と扉に向かった。
「良かった…よく無事でしたね」
真里も心配そうに走ってきた。
「一か八かの賭けだった…ハハッ…まだ震えてるよ…」
深呼吸をして肺と気持ちを落ち着かせようとした。
「でも…あいつはすぐやってくるだろう。今のうちにレバーを引いて問題を解こう。真里は問題を解いててくれ。俺と雅明でレバーを引くよ」
「分かりました。急ぎますね」
そう言って真里は扉に向かって行った。