傍観者





ここ何ヶ月か、立て続けに起こる連続殺人事件。
犯人の手口から、警察は“快楽殺人”として捜査している。
しかし、犯人の手がかりとなるようなものは一つもなく、警察はマスコミなどから、メディアなどで“無能”と叩かれてばかりである。
この犯人の一番の特徴といえば、その残虐さ。
ここまでする必要があるのだろうか。そこまでの快楽が得られるのだろうか。

目の前にあるモノは腹が裂かれ、中から内臓が飛び出していた。そしてその内臓は、それはもうぐちゃぐちゃだ。というか、無い器官まである。その器官が捨てられたのか、あるいは犯人が持ち帰ったのかは定かでない。行方は未知だ。犯人のみが知るものである。顔面はそれが誰であったのか、女性なのか男性なのかも判別できない。潰されているわけではない、ただ、顔の3分の1ほどが無いのだ。

警察は何も掴んでいない。
凶器が何であるのかでさえも。
鋭利な刃物で斬られたような特徴はない。
鎚などで殴られた形跡もなければ、薬物を使われたようでもない。
そう、例えるならば、獣に襲われたような。

殺されたというよりも、何かに喰われたようなソレを見て、再度息を呑むのだった。

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