消えた写真
「…アソ……ヨ…」
「いやあアアアアアアアア!!!!!!!」
淀む声色が私を呼んでいる。
解る。
何を言っているのか解る。
――――連れてかれる。
「…ア、ソボ…ウヨ」
ベッドが軋む。
私の横に立っている。
頭から被った布団は次第に湿り、体温を奪い取る。
「嫌アアアア!!!!!!!嫌だアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!消えろオオオオオオオオ!!!!」
暴れ狂う私の上に冷たい重み。
川の生臭い臭い。
鼻をつく腐敗臭。
ぐちゃりと肉塊が唸る。