HEROINE【完】
やっぱりもう誰も、
彼を気にしない。
自分の彼氏が人気がないことを責められているのだと、
この状況が慣れっこの彼はようやく気がついたようだった。
んなこと俺に言われても、なはずだ。
どうしたものか、
と彼は迷う。
短い停車時間。
グリーン車の中に、
大きな人たちが吸い込まれていく。
最後まで小さな男の子の帽子にサインしていた選手が、
まだまだ後ろにいる彼を呼んだ。
彼が片手を挙げて答える。