病茸【短編】
病茸
早朝、私は頭の後ろに違和感を感じて目が覚めた。

寝ぼけながらも自然と頭の後ろ、首のつけねの上辺りに手を伸ばしてぼりぼりと掻いてみた。

「なに?これ…」

手に何かざらっとした感触と丸く小さな、まるで何かの卵のような物が指先に触れ、私はゆっくりと自分の右手を見た。

ぬめっとした液体が指に絡まりついている。

「いやっ!」

異様な事態に私はベッドから跳ね起きると急いで部屋の明かりをつけた。

鏡の前に座る。

自分の頭の後ろを映そうとするが、真後ろにその違和感がある為鏡で見られない。

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