病茸【短編】
怯えた自分の顔が映る鏡の前で、私はもう一度後ろに手をやった。

ザラッ…

ヌル…


不快極まりない感覚が指先に伝わる。

そして更に髪の付け根を掻いてみると、丸い小さな卵のような物が爪先でぽろっと取れた。

「なにこれ…」

爪の先には半透明な小さい卵のような物が3つついている。

半透明の膜の中で黒い影が動いている…

「きゃあああああ!」

私は慌てて自分の手を振ってそれを払い落とした。

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