病茸【短編】
「病茸ってなんなの?痒くてしょうがないんだけど…それに気持ち悪いよ。どうしたらいいの?」

私は泣きそうになりながら祖母に助けを求めた。

すると祖母は自分の部屋に一度戻り、手にくしを持って戻ってきた。

そして何も言わずに無言で私の髪をとき始めた。

プチュ…プチュプチュプチュプチュ…


何かが沢山はじけ、どろっとした液体が漏れる感覚が頭皮に伝わる。

背筋が凍るような不気味な音と感触…

私はいつの間にか涙を流して泣いていた。
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