僕と私のカオスな夏休み

この村は夏でも涼しい。良いところと言えば、それくらいしか見当たらない。

いつもの村道を歩いて、沢へ向かった。

僕が一番好きな場所だ。

木の蔓に捕まって崖を降りると静かな空間がそこにある。

少し行けば泳ぐこともできる。僕は泳げないのだけれど。

この場所のことは、誰にも教えていない。

はずだったのに、今日は誰かがいる。水に足をつけ、パシャパシャやってる。

長い髪が地面に付きそうだ。

そこで僕は思い出した。昨日の女の子だと。

彼女は昨日と同じ白のワンピースをきていた。太陽の光がその白に反射してまぶしい。

僕は勇気を出して、その女の子に話しかけた。

村に同世代の女の子はいない。緊張で少し声が上ずったのが自分でもわかった。

< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop