僕と私のカオスな夏休み
この村は夏でも涼しい。良いところと言えば、それくらいしか見当たらない。
いつもの村道を歩いて、沢へ向かった。
僕が一番好きな場所だ。
木の蔓に捕まって崖を降りると静かな空間がそこにある。
少し行けば泳ぐこともできる。僕は泳げないのだけれど。
この場所のことは、誰にも教えていない。
はずだったのに、今日は誰かがいる。水に足をつけ、パシャパシャやってる。
長い髪が地面に付きそうだ。
そこで僕は思い出した。昨日の女の子だと。
彼女は昨日と同じ白のワンピースをきていた。太陽の光がその白に反射してまぶしい。
僕は勇気を出して、その女の子に話しかけた。
村に同世代の女の子はいない。緊張で少し声が上ずったのが自分でもわかった。