あーちゃん~最初で最後のニューハーフ~
 「さーちゃん、篤志は?」

1人の男性がさーちゃんの側に立った。

「んっ?初めてみる顔だ。さーちゃん、誰?」

男性が私を指差してさーちゃんを見た。

「あの・・・えっと・・・。」

「如月亜結菜よ。」

「如月?篤志に妹なんていた?」

「如月違いよ。この人は如月篤志とはな~にも関係なし。」

さーちゃんの言葉に男性が私をじーっと見る。

゙如月篤志゙は、私が男だった昔の名前。

゙如月亜結菜゙は、私が女になった今の名前。

同一人物と見破られなくて安心した。

小さな街だから゙如月篤志゙を幼少の時から知っている人間は多い。

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