あーちゃん~最初で最後のニューハーフ~
 さーちゃんが運転する車で見慣れた街に帰る。

「・・・やっぱり帰るよ。」

さーちゃんの家の前で私の足が止まった。

「なんで?遠慮しないでよ、あーちゃん。」

「やっぱりまずい・・・。」

私の腕をさーちゃんが引っ張った。

「いいから、いいから。」

さーちゃんは、強引に私を家の中に招き入れる。

「ただいまぁ。」

さーちゃんの声にさーちゃんのお母さんが出てくる。

「あら?あーちゃんじゃないのね?」

「みーちゃん、あーちゃん以外の友達だっているよ。・・・さあ、あがって。」

「お邪魔します。」

私は、頭を下げた。

玄関で靴を脱ぎ、さーちゃんの後ろに私は、ついていく。

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