紅龍 ―3―
「そ、そうよ。」
なんとか頑張ってそう言った私の声は震えていた。
『ふふっ。俺が怖いですか?楓さん。』
それを嘲笑うかのように言い放つ恭平君。
私はただ違うとだけ言った。
怖いなんて本人に言えるわけない。
そこまで恭平君から感じる怖さに負けたわけじゃない。
でも、恭平君は私が思っていた以上だった。
『まぁ、いいですけど。俺はその事について1ヶ月前から知ってましたよ。』
きっと私の顔は青ざめているんだと思う。
だって、恭平君の言った事はあり得ない事だから。