紅龍 ―3―
『あははっ。その表情。嘘だと思ってるでしょ?』
今度は声を上げて笑う恭平君。
でも、私にとっては笑い事なんかじゃない。
『だって椿夜が作られたのは三週間前ぐらいだ。』
そうよ。
椿夜は三週間前に出来たもの。
なら、なんで出来る前から知ってるの。
そんなの嘘としか言い様が『でも、嘘じゃないんです。ははっ。…―動きがあったんです。』
「……―動き?」
もう何が何だか分からない。
『あいつの父親が動いたんです。本当に分かりやすく。』
分からない―…。