紅龍 ―3―


「蘭さん、恭平さん。着きました。椿夜の溜り場です。」



あれからどのくらいたっただろう。



恭平の言葉は本当で、何分もしない間に運転手の声が聞こえた。



その言葉どおり外を見ると、倉庫と言うよりダーツバーのような構えの建物がポツリとあるだけ。



きっとあれが、椿夜の溜り場なのだろう。




「蘭。」



「うん。分かってる。」




恭平に呼ばれるがまま、運転手の開けてくれたドアから身をだした。




「さぶっ。」




季節も季節。




時間も時間。




最近感覚的におかしいのだが、今は2月の夜9時ぐらいだろう。




寒さが身に染みた。




< 26 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop