紅龍 ―3―
「蘭さん、恭平さん。着きました。椿夜の溜り場です。」
あれからどのくらいたっただろう。
恭平の言葉は本当で、何分もしない間に運転手の声が聞こえた。
その言葉どおり外を見ると、倉庫と言うよりダーツバーのような構えの建物がポツリとあるだけ。
きっとあれが、椿夜の溜り場なのだろう。
「蘭。」
「うん。分かってる。」
恭平に呼ばれるがまま、運転手の開けてくれたドアから身をだした。
「さぶっ。」
季節も季節。
時間も時間。
最近感覚的におかしいのだが、今は2月の夜9時ぐらいだろう。
寒さが身に染みた。