紅龍 ―3―
「蘭?」
恭平が私を呼ぶ。
薄らと開いた目で私は恭平の姿を捕らえた。
「――………。」
声は出ない。
喉が焼けるように熱い。
でも、言いたい事がある。
『その先の言葉を言わないで。』
『私を夢から覚ませないで―…。』
だって分かるんだ。
恭平の顔を見れば。
「…―楓さんから聞いたんだろ?」
そんな顔をしないで。
「椿夜の組長が青虎にいるのは本当だ。」
全てが真実だって分かってしまう。
分かっちゃうじゃん。
私は分かりたくなかったの。
私は夢がよかったんだよ。