紅龍 ―3―


車から降りてみた目の前にある青虎の倉庫はなんか懐かしかった。



すっごく懐かしかった。



そして、暖かかった。



倉庫に皆の姿はなかったけど、車降りて運転手さんがすぐどっかいって私と龍しか居ないけど



『おかえりなさい。』



そういってる気がした。



私はもう狂ってんのかもしんない。



でも



「ただいま。」



口はかってに動いてた。



涙もかってに流れてた。



そんな私を見て龍は一瞬目を見開いたけど小さく笑うと



「おかえり。」



そう言って私を



「龍─…?」



「ちょっとだけだ。」



「りゅ「頼むから。ちょっとだけ。…─またお前がどっか行きそうで怖い。」




私を強く抱き締めた。



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