紅龍 ―3―
楓side
「蘭ちゃん―…大丈夫かしら。」
部屋の中、小さく呟く。
私はソファーに全体重をかけて座った。
今日自分のした事に後悔しながら。
「…―やっぱり言うべきじゃなかっ「なに柄にもない事気にしてる。」
「惇―…。」
私の声に惇の声が重なった。
惇の手には2つのコーヒーカップ。たしかクリスマスにお揃いで買ったもの。
かたっと音を立ててそれが目の前のテーブルに置かれるとコーヒーのいい香が鼻に届いた。
「まぁ、飲めや。」
「あ…―ありがとう。」
私の座るソファーの隣に腰掛ける惇を感じながら、私はコーヒーを喉に通した。