紅龍 ―3―
「私は元だからまだいい。でも、龍は現在の青虎総長でしょ。」
「そんなの「関係あるの。」
龍の少し不機嫌気味な声を遮る。
ちゃんと関係あることを言っとかないといけないから。
「…総長ってもんは下のものからの信頼や憧れ、色んな感情からできてる。」
「…。」
「そしてその感情は積み上げるのは難しいのに、崩れるのは簡単なの。」
「……私はもう足を洗ったものに入るけど、龍は今の青虎の総長なの。」
「皆からとても好かれてる、信頼されてる。憧れられてる青虎の総長なの。皆がそう思うのは先代でも智でもない。今の総長、龍なの。」
「その龍にたいする皆の感情を私が手をだして崩すわけにはいかない。…きっと、私が龍と付き合うとよく思わない人が出るはずだから。」
「そんな奴は俺が潰し「駄目。」
「私は皆から信頼されて、憧れられてる龍が好きだから。龍には青虎“総長”でいてほしいの。形だけのものじゃなくて表面上だけじゃなくて、本当の本物の総長でいてほしいの。」