母の手帳
「あ、今日、隣の男子高と合コンするんだけど、奈津子ももちろん来るよね?」

「へっ?」

…合コン?

「あたしは行かなーい」

今日は早く帰ってくるように言われてるし。

「えー。柚木君も来るのにぃ?」

みくがくるくるに巻かれた髪を指でいじりながらあたしを見つめた。
その目はニヤニヤと笑っている。

「うっ…」

柚木君は先日みくの彼氏のバスケの応援に着いて行ったあたしが一目惚れした隣の男子高の男の子。
バスケが超上手くて顔もイケメン!

「柚木君誘うの大変だったんだよお?」

「うぅ…」

どうしよう。柚木君が来るなら行きたい…かも。


「柚木君イケメンだし、他のこに取られちゃうかもね?」

「行くっ行きますぅ!」

柚木君が取られるなんてヤダ!

「そーこなくっちゃっ」


学校に着いた頃にはお母さんとの約束なんてすっかり忘れてたんだ。

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