屋上
キーン、コーン、と鐘がなる。

学校のチャイムって、なんで、

どこも一緒なんだろう?

「やべっ、予鈴だ!行くぞ。」

アツシが慌てて言う。

始業式の日から、さっそく、

勉強、か。

かったるいな。

とりあえず、理科室へと向かう、

2人の後ろに、ついて行った。

そして、廊下の分かれ道。

「リョータ、アツシ、先行ってて。」

僕は、顔の横で、手のひらを振る。

「まぁたサボりかよ。」

リョータが、呆れた顔で言う。

それも、そうか。

「悪りぃな。」

と言った、僕の顔は、きっと

どこも悪びれた様子がなかっただろう。

僕は、ゆっくり、階段のある、

分かれ道の右側へ、歩いていった。

「じゃあな!」

と、後ろから、アツシの声がした。

僕は、振り返ったけど、2人はもう、

廊下の角が邪魔になって、

見えなくなっていた。


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