チャット★ティチャー
それから毎朝明け方には寺門が来て一緒に特訓をした。

土日はお昼頃から日が落ちるまで続けた。

一応秘密の特訓ということで、恭介に会わないよう、部活は休み、部活の時間は寺門と別の場所で特訓を行った。

恭介との約束の日まで、ちょうど残り一週間となった。

そんな日の夜、寺門から電話がかかってきた。

「やぁ、田中君起きていたかい?」

「急にどうしたの?」

「いやね、恭介君との勝負まで残り一週間をきっただろ?」

「そうだね。緊張するよ。」

「はっきり言おう、このままでは君は負ける。」

自分でもわかっていた事だった。

体力もかなり戻ってきたし、ブランクもあらかた取り戻せたと思う。

しかし、ブランク以前の実力ですでに俺は恭介よりも弱かった。

さらにはこの二年で恭介は格段に腕をあげている。

このままでは勝てる要素などほとんどなかった。

しかし、だからといって二年の歳月はもう戻すことなどできない。

「明日から一週間、学校を休んで特訓してその差を少しでも縮めよう」

「俺は願ったり叶ったりだけど・・・いいのかな?」

「小桜先生には了承を得てある。」

「青春っぽくていいから、OKという事だった。」

・・・

うちの学校めちゃくちゃだな・・・



< 103 / 200 >

この作品をシェア

pagetop