チャット★ティチャー
上に行ったり、下に行ったり。

上がったり、下ったり。

回ったり、曲がったりしながら恐怖の時間はゆっくりと終わりを告げた。

「お疲れさまでしたー」

店員さんが爽やかな笑顔で僕を押さえていたバーをあげようとした。

「あ、すいません。バーを離していただけますか?」

「動かないんです。」

俺は恐怖のあまり、バーにしがみつき硬直してしまっていた。

「もぅ、かっこ悪いなぁ~」

クスクスと笑いながら尋が俺の指を一本一本バーから引き離してくれた。

なんとも情けない気分になりながら、俺の女の子との初ジェットコースターは終わりを告げた。

ジェットコースター乗り場から出ると、咲美と寺門が笑顔で迎えてくれた。

「二人の写真撮れたよー」

咲美がデジカメを俺に見せてくれたが、写っていたのは、ブレまくってなにが写っているかまったくわからない心霊写真のようなショットだった。




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