チャット★ティチャー
なんだか、怯える咲美を見たら少し恐怖はやわらいだ。
ここは俺がしっかりしないければ。
暗がりを咲美と腕を組みながら、俺が先導した。
時折、驚かされてビクッとしたが、案外怖くはなかった。
出口が近付いて、なんだたいしたことなかったなと思ったその時だった。
さっきまで俺の左腕にくっついていた咲美がいつのまにかいなくなっていた事に気がついた。
俺はすぐに周りをキョロキョロと見渡すが咲美の姿はない。
首筋にひやっと寒気を感じた。
俺は恐る恐る振り返ると、そこには長い黒髪の女が立っていた。
「ぎゃああああああああああああああああああ」
本物が出てしまったと思い、俺は出口まで悲鳴を上げながら、猛ダッシュで走った。
出口で待っていた、寺門と尋が「そんなに怖かったの?」と笑っていた。
すると「ひどいよー、田中君」と咲美がお化け屋敷から出てきた。