チャット★ティチャー
「田中 右近!!!!!!!!!!!!」

道場中に響きわたる大声。

大声の主は寺門だった。

寺門、尋、咲美は真剣な表情で俺を見つめていた。

そうだ。

俺はもう一人じゃない。

背中を押してくれる仲間がいる。

恭介に強い視線を投げた。

生意気な野郎だと言いたげに舌打ちを一つして、恭介は部室に入っていった。

もうすぐ恭介との真剣勝負が始まる。

俺も恭介を追って、部室へと一度戻った。

あまりギャラリーの前に姿を晒していたくもなかった。

弱い俺の、怯えがぶりかえしてしまいそうだったからだ。

「負けたら、約束守れよな。」

袴に着替えながら、恭介がニタニタと笑いながら、俺に念を押した。

「わかってる。」

「負ける気なんてないけどな。」

恭介に一つ睨みをきかせた。

俺の精一杯の抵抗を恭介は少し驚いた様な顔で見返した。

「ちっとは根性据わったじゃねーか。」

恭介は見下すように、笑いながら俺の背中をバンと叩いた。




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