チャット★ティチャー
具体的な方法よりも。

何よりも最後の巻は俺の勇気になった。

後は自分を信じてやるだけだ。

俺は面をかぶり、竹刀を強く握りしめ、部室の扉を開いて道場へと歩を進めた。

道場に入ると、ヤジや、笑い声、大勢の生徒が俺を罵った。

けれど不思議とまったく気にならなくなっていた。

自分のそうなりたいその姿。

そこへ向かう事に周りの声は関係なく。

ただ自分の気持ち。

それが大切なんだと俺はもう知っている。

恭介の正面に立った。

俺が道場に入ってきた時はニヤニヤしていた恭介の顔が、俺が正面に立ち目を合わせた瞬間に変わった。

真剣な表情になり、俺を見下しているようなそぶりはなくなった。

なんだかそれが少し嬉しく感じた。

恭介も俺は根性が据わったと言った。

そして相対した今、真剣な面持ちで俺を迎えてくれている。

俺を少しは戦う相手として認めたという事だろう。

それが嬉しかった。



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