チャット★ティチャー
主審を務める小桜先生が俺と恭介の間に立った。

「ルールの説明をする。」

「制限時間五分の三本勝負。」

「二本先取で勝利とする。」

「五分以内に決着がつかなかった場合は延長戦。」

「延長戦は時間無制限。」

「一本先取した方の勝ちとする。」

ルールを説明した小桜先生はゴホンっと咳払いを一つし、間をおいた。

「いきさつはなんとなく聞いているが、お互い熱くならず、フェアに戦ってくれ。」

「それでは互いに礼。」

小桜先生が数歩離れ、俺は恭介に深々と頭を下げた。

恭介も背筋を伸ばし、同じように頭を下げた。

ギャラリーも予想以上の重々しい空気に気づいたのか、静まり返っていた。

道場に静寂が流れた。

俺は真剣なまなざしを面越しに恭介に投げかける。

恭介もそれに答える様に真剣な表情をしているのが、面越しでもわかった。






「始め!!」

小桜先生の試合開始を告げる大声が道場に響きわたり、俺と恭介の試合は遂に始まった。




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