チャット★ティチャー
ほとんどは「あぁ~」という、がっかりした声。

咲美、尋、寺門の三人だけが、飛びはねて、自分の事の様に大喜びしている。

目の前には膝をつき、地面を叩きつけて悔しがる恭介。

もし勝てたら大きなガッツポーズをして、俺も喜んでくれている三人と一緒になって、飛び跳ねて大喜びするかと想像していた。

しかし、現実は勝利し、小桜先生の判定を聞いた瞬間、膝の力が抜け、その場にへたりこんでしまった。

勝てた事がまだ信じられない。

恭介も負けた事が信じられないといった様子だった。

三人が俺に駆け寄り、賞賛の声をかけてくれたが、俺の耳にはまるで入ってこなかった。

俺の目に見えていたものは、うなだれる恭介。

そしてがっかりして帰るギャラリー達。

口ぐちに恭介を馬鹿にするような言葉を発していた。

俺は勝ててよかったんだろうか。

なんだかそんな気がした。

「右近君聞いてる?」

ふくれっ面をした尋の顔が俺の目の前にあった。

「せっかく勝てたのに浮かない顔だなぁ。」

「早く着替えて一緒に帰ろう。」

「話したい事があるから。」

そう言って、尋は俺を更衣室に押し込んだ。

横目になんだか悲しげな表情の咲美が見えた。



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