チャット★ティチャー
咲美の家に行くとお母さんが出て、まだ帰ってきていないと言っていた。

俺は寺門に電話をかけた。

「もしもし。」

「寺門君、委員長知らないか?」

「あぁ、委員長なら田中君と、島崎が帰った後に会ったけど、俺は先に帰って来てしまったよ。」

「そっか」と通話を切ろうとした俺を寺門が引き止めた。

「委員長に会いに行くのか?」

俺は短く「あぁ」と答えた。

「島崎とはどうなったんだ?」

どうなったのか、それは自分でもわからない。

「はっきりはさせた、つもりだよ。」

寺門は「そっか」とだけ、言って、それ以上深く聞こうとはしなかった。

「委員長と、会えるといいな。」

「ありがとう。」

なんとなくだった。

なんとなくだけれど、それは確信に近いものがあった。

きっと咲美はあそこにいる。

俺は再び走り出した。



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