チャット★ティチャー
「それから田中君が学校に来なくなって、ずっとずっと気になってた。」

「今度は私が田中君の背中を押す番だってそう思った。」

涙で顔をくしゃくしゃにし、そこまで話して咲美はその場に座り込み大泣きした。

なんだか、今日は女の子を泣かせてばかりだ。

軽い自己嫌悪をしながら、咲美に声をかけた。

「委員長のおかげで、俺は変わる事ができた。」

「自分の今を変える事ができた。」

「本当にありがとう。」

「そして、これからもよろしくな。」

俺がそう言うと、咲美は俺の顔を一度見上げた後、またさらに大きな声で泣いた。

今日は河川敷で二度女の子を泣かせた。

一度目は尋。

あの時は夕日に照らされた、河の水がキラキラと反射していて綺麗だった。

今、咲美といる河川敷から見る河は、月をうつし、幻想的な美しさだった。

尋は太陽で、咲美は月。

本人達にぴったりだな、なんて考えると少しおかしくなった。



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