チャット★ティチャー
しばらくして泣きやんだ、咲美が口を開いた。

「いつから気づいていたの?」

「最初から、なんとなく予感はしてたんだと思う。」

「完全に気づいたのは、委員長が恭介との試合前に言った台詞。」

「「自分の今を変えてきて。」って台詞で確信したよ。」

「俺とアブラムでは当たり前の様に使ってた台詞だけど、委員長があそこであの台詞を言ったのは、委員長がアブラムだからだと思った。」

「それ以外にも、アブラムがやけに学校のみんなへの手まわしがよかったから。」

「学校内の誰かかなって疑ってはいたんだ。」

「あと、粟田さんの美容院。」

「俺以外は女性のお客さんばかりだったし、作りも女性向けな雰囲気だった。」

「それに美容院に行って最初に粟田さんにあった時、「の・・・」って言葉を詰まらせた後に「アブラムさんから聞いてる」って言いなおしたんだ。」

「あの時は気にも留めなかったけど、あれは野々坂 咲美。」

「そう、委員長の名前を間違えて言おうとしちゃったんだって、「自分の今を変えてきて」って台詞を聞いた後にわかった。」



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