チャット★ティチャー
俺は何度も繰り返した。

「なんでお前が、委員長に。」

「なぁ恭介、なんでだよ。」

「お前俺の事嫌いだったはずだろ。」

「何とか言えよ、恭介。」

目頭が熱くなる。

悲しくもない。

嬉しくもない。

なんだか不思議な気持ちが胸を締め付けるだけ。

それなのに、涙がこぼれた。

恭介は俺の問いかけに答えず、黙ったまま、道場に座していた。

俺は恭介に詰め寄り、胸ぐらを掴んだ。

恭介は無表情で、涙でくしゃくしゃになった俺の顔を見つめていた。

外から入る月明かりが、恭介と俺の顔を照らした。



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