チャット★ティチャー
しばらくお互い黙ったまま見つめ合った。

すると恭介は急にフッとふきだした。

「変な顔しやがって、気持ちわりぃな。」

いつもの憎まれ口。

いつものままの恭介。

その恭介が咲美に俺の事を頼んでいたなんて、信じられなかった。

「たいした理由はねぇよ。」

「お前がいない二年間、なんだか退屈だったから、戻ってこねぇかなと思っただけだ。」

そう言いながら、胸ぐらを掴んでいる俺の手を振り払った。

恭介は、道場の窓から見える月を見つめながら、悲しげな顔で続けた。

「にしても、なんでだろうな。」

「お前がいないと、まじで退屈なんだよな。」

「馬鹿にできる野郎がいねぇからなんだろうな。」

「俺にとっては結構それが大事な事だったのかもしれねぇな。」



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