チャット★ティチャー
そう言って恭介は道場を去ろうとした。

「待てよ、剣道部辞めるのかよ。」

俺は涙声で、恭介を呼びとめた。

「負けた方が辞める、そういう約束だ。」

「わかってんよ。」

「別にいつ辞めてもいい、そう思ってたんだけどな、最後だと思うとなんかモヤモヤしちまって、黄昏てただけだよ。」

「もうこねぇよ、じゃあな。」

再び道場を去ろうとする、恭介の腕を掴んで、再び止めた。

何を話せばいいかなんてわからなかった。

だけど今行かせるわけにはいかない。

そう思った。

「・・・・」

俺は恭介に小声で呟いた。

「あん?なんだって?聞こえねぇよ。」

「・・・いいよ。」

「なんだよ、聞こえねぇって。」



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