チャット★ティチャー
第一問に回答し終わった頃には、アブラムに教わった事、この一週間必死で勉強してきた事がすごい勢いで脳裏に浮かんできた。

自分でも驚くほどにペンが進み、次々に回答用紙を埋めていった。

回答用紙のすべての空欄を埋めて、時計に目をやった。

まだ時間は10分弱残されている。

最後にすべての問題、回答の見直しを真剣に見直した。

これもアブラムの教えだった。

必ず、残り時間ギリギリまで回答用紙と問題用紙を読む事。

一問、誤字を発見し、それを直したところで小桜先生の持っていたタイマーがピピピッと鳴った。

「止め」

小桜先生が回答用紙を回収し、採点を始めた。

結果はすぐにその場でわかる様だった。

心臓が高鳴る、大丈夫、90点とれているはずだ。

自己採点する時間はなかったが、ある程度の自信はあった。

回答用紙はすべて埋めたし、特にひっかかった問題もなかった。

小桜先生が採点をする手を止めた。



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