BEYBEY
「へぇ・・・」
気の抜けるような返事をした。
こういうのとは関わりたくないから
わざと愛想もくそもない答え方をしたのだった。
「翔香ー」
そんな翔香を見かねたのか
湊と舞が手招きをして
翔香を呼んでる。
「ぢゃ」
それだけ言い残しその場を去った。
「何あのヤンキー」
湊がこっちに身を乗り出し問いかける。
「なんか転校生らしいよ?」
「あッそーなんだぁ見かけないと思った」
舞がなんだかほっとした顔で言う。
やっぱ並んで見ると
舞と湊はお似合いだ。
舞はバスケ部に所属していて
髪はショートカット。
それでもすんごく可愛くて
笑った時にできる小さなえくぼが
特徴である。
「やっぱお似合いだねぇ~お二人さん
翔香なんかお邪魔だぁ~!!」
「そんなことねぇーって」
「そーだよ。そーだよぉ!!」
翔香の言葉をかばうように口を出す二人。
この二人が付き合い始めてから
湊、舞、翔香で居ることが増えた。
この三人で居る時間がいちばん幸せだ。
ほんと青春してるなッて思う。
3人でバカやったりするのが
楽しくてしょーがなかった。
このときは・・・。
あんな苦しい運命の渦にのまれるなんて
これっぽっちも思ってなかったから・・・。