秋桜が散る前に
「優香…?あの…この服は…」
「数合わせといえども見目はよくしとかなきゃ。咲夢スタイルいいから、着せがいあるなぁ…」
それにしてもこれは…色々出過ぎなのでは…
膝より5cmほど高い丈のワンピース。(あらゆる所にリボン付)
おまけに高いヒールのスプリングブーツ。
さっき優香の家で着せ替え人形よろしくされた結果だ。
「咲夢、千歳さんに遅くなるって言った?」
集合場所の駅に向かいながら、優香は気遣わしげにそう言った。
「大丈夫。してあるよ。」
ケータイでちゃんとお母さんに連絡した。
お母さんはちょっと嬉しそうに、いい人見つけてきなさいと言った。
私が奏太くんを引きずってるのに、気付いていたんだ。
「そう言えば、相手はどこの高校の男の子?」
「あー…それが、
愛染高校なんだよね…」
奏太くんの通っていた高校…!