秋桜が散る前に



「…言われてみれば、そうかも。孤児院だと、皆成瀬川だから皆名前でしか呼ばないから気付かなかった。」


「あ、そっか。だから奏太名字で呼ばれるの嫌がったのか。」


「きっとそうだね。」




2人して納得しあう。


何だか不思議。


奏太くんがいなければ、多分絶対に知り合わなかった秋くんと私。


奏太くんが亡くならなければ、こんなに話が弾むはずのない秋くんと私………




「ちょっとぉー、何2人だけの世界に浸ってるのー?」


「えっ!?」


「カラオケ。部屋空いたから、行くよ。これ一応合コンなんだからね〜?」


「ごっごめんごめん藤子。」




わ、忘れてた…



そう言えば私、なにも考えずに来ちゃったけど…………




「咲夢、何歌う?」




私賛美歌しか歌えない〜!!






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