秋桜が散る前に
「今日は、学校サボっちゃおうよ。ね?」
優香は私の左手を握ってそう言った。
いつの間にか、2人一緒に泣いている。
「なんで優香が泣くの…?」
「なんでかな、わかんない…もらい泣きってやつだよ。多分。」
へへっと、優香は笑った。
「ありがとう。優香。」
「どう致しまして…と、言いたいとこなんだけど、あたし何もしてないぞ?」
「優香は、いるだけで元気をくれるから、それでいいの。」
「そう?やだ、照れるなぁ…」
「調子にのらないでね ?」
「はーい。」
私と優香は、泣き笑いをした。
たぶんお互い、同じ気持ちだった。
悲しくて、
嬉しかった。