秋桜が散る前に
「な、なんでここにいるの!?牧師さんは!?」
「いや、なんか、今朝ここの前通ったらさ、何かばたばたしてて…気になって除いたら、ボランティアさんが来れなくなって、牧師さんも出かける用事があるって…だから、ちょっと留守番を…」
牧師さんー!しっかりしてくださいよー!
と、とにかく優香を呼ぼう。
藤子にあれだけ責められた後じゃ私が気まずい。
そう思って、礼拝堂に戻ったのに、ちょこんと長椅子に座って絵本を呼んでいるのは一馬だけだ。
「か、一馬?さっきのお姉ちゃんは?」
「さっきのおねえちゃん、サクねえに、これ、『はいどうぞ』してだって。」
となにらやノートの切れ端らしきものを私に手渡す。
恐る恐るそこに書いてある事を読んで見る。
“邪魔者は退散するのがセオリーだから、今日はもう帰りまーす。また明日ね!
優香より”
うそっ!
「咲夢さん?どうかした?」
「う、ううん。何でもない。」
「ねー、サクねえあそぼう。おうたうたってー。」
「サク姉だっこー。」
ひぃぃぃぃ!