秋桜が散る前に
誰かのおなかが鳴った。
「この音は…一馬かな?」
「違うよっ!早和ちゃんだよ!」
「早和じゃないもん!カズでしょ!」
言い訳するあたり、一馬の音だろう。
時計はちょうど12時半をさしている。
「お昼ご飯にしよっか。」
七瀬も落ち着いたし、一馬と早和は秋くんが見てくれるだろう。
「ごめんね、秋くん。私昼ご飯作るから、一馬と早和、お願い出来る?」
「えっ、あ、いい。大丈夫。」
「秋くん?」
なんていうか、歯切れの悪い返事。
変なの。
「じゃ、お願いね?」
「あぁ。でも…」
「何?」
秋くんは言いにくそうに目を逸らす。
顔も赤い。
なんだろう…?
「その、スカート。丈をのばすか、ズボンとか中にはいといた方がいいと思う。」
聞いた瞬間、私は耳まで赤くなるのを感じた。意味がないとわかりつつもスカートを押さえて無理矢理引っ張る。
「み、見たの!?」
「いや、その…チラッと…ね。」
私は固まってしまった。
早和に、サク姉かおまっかー。たこさんみたいー。と言われても、私は動けなかった。
し、秋くんに…
下着見られたっ…!!!